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清水寺


清水寺

日本人ならだれもが知っている清水寺...

創建は778年ですが、現在目にする建築群のほとんどが、江戸時代初期に再建されたものです。

実際に訪れたことがあるという方も少なくはないでしょうが、建築的に清水寺が語られることは大変稀で、その意匠や構造に特別な興味を示す方は、建築関係者でも少数ではないでしょうか。

しかし、建築的に大変ユニークな建物が多く、そのユニークさに気が付けば、あなたの建築力も一段とアップ...するはずです。




清水寺の正門「仁王門」です。

和様でまとめられていますが、檜皮葺の屋根は寺院建築ではあまり見ません。

応仁の乱によって焼失、15世紀末に再建され、2003年に解体修理が行われました。

ちなみに、寺院の楼門に金剛力士を安置する門を仁王門と呼びます。

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「仁王門」の斗きょうです。

断面が四角形の尾垂木、小口がはっきりとした四角形の肘木など典型的な和様の斗きょうです。

さらに、間斗束、平行垂木、蛇腹支輪などが和様の特徴が確認できます。




清水道から見て右手側にある門「西門(さいもん)」です。

1631年再建。最初に建てられたものは平安時代末期と考えられています。

神社の拝殿のようでもあり、特別な目的のために建てられた建物だと考えられています。

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清水寺 西門の妻飾(つまかざり)です。

二重虹梁大瓶束に蟇股を加えた妻飾です。

寺院にある小さな建物を見学する際は、妻側の意匠をチェックすることを心がけて下さい。

「西門」は小さい建物ですが、様々な装飾、特にたくさんの蟇股が見どころです。




「西門」の向拝(のような部分)の意匠です。

丹塗りの柱に施された極彩色の文様、破風の金箔飾り、蟇股・木鼻・手挟(たばさみ)の彫刻など、装飾に関しては本堂以上の華やかさです。

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仁王門を抜けて、後ろに続く階段の左手側にある「鐘楼(しょうろう)」です。

1607年に再建され、1999年に彩色が復元されています。

一般的には柱4本のところ、6本の柱が四方転びでしっかりと組まれています。




「鐘楼」の斗きょうです。

美しい彩色に、愛嬌のある木鼻がユニークです。

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西門の後ろ(東側)に建つ「三重塔」です。

847年創建、1632年に再建され、2015年に極彩色等の復元工事が完了しました。

日本最大級の三重塔で、高さは約31m。京都東山のシンボルです。




清水寺の「三重塔」はご覧のとおり典型的な和様の様相です。

2015年の極彩色等の復元工事で、少し雰囲気が変わりましたが、個人的に、最も美しいと感じるお寺の塔です。

余談ですが、日本では外国人向けにお寺の地図記号の見直しが考えられていて、「まんじ」から「三重塔」へ変更しようという動きがあります。

しかし、京都に多い禅寺などでは、塔はお寺の中の主要建築群に含まれず、三重塔や五重塔などの塔が建ってないお寺も珍しくないのです。

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「三重塔」の東側に建つ「経堂(きょうどう)」です。

「経堂」は、経典や仏教に関する書物を収蔵する建物で、密教における七堂伽藍を構成する建築群の一つ。

蔀戸が用いられ、平安時代の貴族の住宅風の様相です。




「経堂」の東側に建つ「開山堂(かいさんどう)」です。

「開山堂」は、寺院の開山の像や肖像を祀る堂のことで、寺院によっては、御影堂(みえいどう、ごえいどう)などと呼ばれます。

清水寺の「開山堂」は、「田村堂」とも呼ばれ、清水寺創建の大本願・坂上田村麻呂公夫妻の像などが祀られています。

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清水寺の「本堂」です。

清水寺の創立は798年ですが、現在の「本堂」は1633年に再建されたものです。

長い束柱で舞台を支えている構造を懸造(かけづくり)といい、清水寺の本堂は欅(けやき)の柱が139本あります。

これらの柱と梁の接合に、釘は使われていません。

清水寺と言えば、「清水の舞台」が有名ですが、この舞台の面積は約190uで、410枚以上の檜板を敷き詰めた「桧舞台」です。




清水寺の「本堂」の開口部には、蔀戸が用いられています。

さらに屋根が檜皮葺きという点も、寺院建築では、珍しい選択です。

これらが相まって、清水寺の「本堂」は、寺院建築というよりも寝殿造の平安貴族の住宅に近い様相です。

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「本堂」で見られる蟇股です。

「鐘楼」や「西門」で見られた蟇股と比較して、かなりシンプルなデザインのものです。

軒下部分の斗きょうもまた大変簡単なもので、装飾も皆無です。

清水寺の「本堂」は、その知名度に反して、意匠や装飾に関して言えば、相当に簡素です。




秋の紅葉に包まれる「本堂」。

夏は緑葉に包まれますが、どちらも本当に素晴らしい光景です。

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「本堂」の東側に建つ「奥の院」。

「本堂」と同時期、1633年に再建されたもので、檜皮葺の寄棟の屋根、懸造など本堂との共通点が垣間見られる。

「奥の院」の舞台から見る「本堂」の姿が、最も清水寺らしい風景と言っても過言ではないでしょう。




「本堂」の舞台からまっすぐ南を向くと見える三重塔「子安塔(こやすのとう)」。

現在の建物は1500年の建立で、明治の終わりまで仁王門の左前に建っていました。

2013年に修復が完了、鮮やかな朱塗りの塔が再現されました。

高さ約15mで、先の三重塔の約半分の高さ。こちらも和様でまとめられています。

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「子安塔」は子安観音(千手観音)をお祀りし、名前の通り安産に大きな信仰を集めてきました。

和様の寺院建築でよく見られる支輪が使われず、一層部分に連子窓もなく、釘隠しも見当たらないため、大変プレーンで可愛い印象です。


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